大学受験で推薦入試が増えていってます。
ここでは、どのような影響があるのか、中学生の保護者様はどのように大学受験を捉えればいいのか紹介します。
まずは、以下の新聞記事をご覧ください。
総合型選抜・学校推薦型(旧AO・推薦)入試は、私立大だけでなく、国公立大でも増加。いまや大学の入学定員全体のうちおよそ半数は「推薦組」といわれている。
4年入試では、全国の大学入学者のうち、推薦型選抜が約23万1千人(37・6%)、総合型選抜が約7万7千人(12・7%)と合わせて50・3%となり、初めて半数を超えたという。
かつて大学入試といえば、英語や数学の筆記試験というイメージだが、総合型選抜・学校推薦型入試では、志望理由書や面接・小論文などで決まるところも多い。
入学定員の半数は「推薦組」 、 進路めぐり一般入試組との間で教室もやもや 変わる大学入試(産経新聞)
「推薦入試だなんて、少子化で大学受験も楽になるんだなー」
なんて意見をX(旧Twitter)などで多く見ます。
ですが、そのように思わない方がいいでしょう。
いくつか理由があります。
- 高校3年生での一発逆転が難しくなる
- 高校受験が大学受験に与える影響が大きくなる
高校3年生での一発逆転が難しくなる
推薦入試が増えるほど、高3での一発逆転が難しくなります。
高校内で順位付けをされる学校推薦(指定校推薦)はもちろん、総合型選抜(AO入試)でも通知表は推薦入試の判定材料になります。
多くの大学では、高1の評定からが合否判定の資料になります。
そのため、推薦入試では1年生からコツコツ積み重ねられる学生が強いです。
これまで高3の2月に帳尻合わせてきたウサギさんタイプはこれからキツくなります。
「高2高3で本気を出し始めた頃には試合が終わってた・・・」なんてこともこれからはありえるでしょう。
学習習慣は急には身につきません。
『これまでやっていなかった子が、高校に入ったらいきなり毎日机に向かうようになる。』なんてことはありません。
小学生や中学生の間にコツコツ勉強を進められる姿勢を身につけた人が大学受験でも強いでしょう。
高校受験が大学受験に与える影響が大きくなる
推薦入試が増加することにより、高校受験が大学受験に与える影響が大きくなることも予想されます。
偏差値の高い(=学力の高い)高校ほど推薦入試での選択肢が多いです。
大学側できるだけ学力の高い学生を揃えたいと思っているからです。
たとえば、偏差値30の学校と偏差値60の学校とでは、学校推薦(指定校推薦)の募集枠に大きな違いがあります。
偏差値60の高校では関関同立・産近甲龍レベルの大学が学校推薦で狙える。
でも偏差値30の高校では、そういったレベルの大学は数少ない、もしくは枠がないことも・・・。
これからの大学受験では、推薦入試の枠がなく、一般入試の募集人数も減少傾向にあります。
『大学受験での逆転』はかなり難しくなるでしょう。
高校受験に向けてコツコツ勉強をし、公立トップ高を目指したい
ここまでお話してきたとおり、これからの大学受験では高校3年生での一発逆転は難しくなります。
地道に1年生から努力を積み重ねられる高校生が推薦入試では強いです。
さらに、進学する高校のレベルに大学受験が大きく左右されることになります。
推薦枠の多さは、高校入試の偏差値と比例します。
そのため、大学進学を考えているなら、中学時点できちんと勉強をすることで学習習慣を身につけ、結果的には公立トップ高を目指すべきだと言えます。
『高3夏から頑張って逆転合格!』のような話はこれから少なくなっていくでしょう。
中学生(小学生)の頃からコツコツ積み上げられた人がしっかり進路を切り開いていくようになります。