兵庫県公立高校入試の内申点制度を徹底解説!【内申点を上げる方法3選】

しのはら塾長
兵庫県の公立高校入試の内申点についてお話します!

毎年、兵庫県公立高校入試の受験生のみなさんから多くの質問をいただきます。
たとえば、次のような質問を多くいただきます。

・兵庫県の公立高校入試で内申点の配点は何点ですか?
・内申点は、いつの通知表の結果が使われるんですか?
・生徒会活動や部活動等の表彰などは内申に影響がありますか?
・英検・漢検・数検などの検定を取ることは内申点の加算に繋がりますか?

兵庫県の公立高校入試は他府県の公立高校と比較しても内申点が占める割合が高いことが特徴です。

内申点がどうやって決まるのか。
どうすれば内申点を上げることができるのか。
兵庫県の公立高校入試の受験を考えている人はこういうことが気になることでしょう。

今回の講義では、兵庫県公立高校入試の内申点の仕組みについてお教えします。
また、講義の後半では内申点アップのためのチェックポイントをあわせてご紹介します!

正直に言うと、内申点については誤っている情報が広まっている部分もあり、多くの受験生が混乱しているようです。

今回の講義は、兵庫県の公立高校入試のルールブックである選抜要綱から情報を抜粋してお伝えしていきますので、しっかり理解しましょう。

兵庫県公立高校入試の一般入試では内申点が配点の50%を占める!

まずはじめに兵庫県公立高校入試一般入試における内申点の取り扱いについて説明します。
兵庫県公立高等学校入学者選抜要綱には次のように書かれています。

合否判定は、次のとおりとする。
合格者の決定は、判定資料(A)と(C)の合計点(以下、「素点」という。)を基本として行う。
その際、判定資料(B)は参考として用い、総合判定となるよう留意する。

ただし、過年度卒業者については、判定資料(C)を重視して合否の判定を行う。

判定資料(A)・・・調査書の各教科の学習の記録の第3学年の、「国語」、「社会」、「数学」、「理科」、「外国語」の5教科の評定の和を4倍した値と、「音楽」、「美術」、「保健体育」、「技術・家庭」の4教科の評定の和を7.5 倍した値との総和(総配点250 点)による資料

判定資料(B)・・・調査書の各教科の学習の記録以外の諸記録を総合した資料

判定資料(C)・・・学力検査(総合学科における実技検査で1教科を代替した場合の実技検査も含み、各教科100 点、総配点500 点。)の結果を県教育委員会の定めた方法によって採点し、それを0.5 倍した資料

まぁ長ったらしいのでまとめると、兵庫県公立高校の一般入試は総合点数が500点ですよ。
さらに、そのうち内申点(判定資料A)が250点、学力検査(判定資料C)が250点ということが書かれています。

内申点は、5教科が5段階評定×4、副教科が5段階評定×7.5で計算します。
250点満点の内申点のうち、5教科の合計が100点、副教科の合計が150点になります。

全国的に見ても内申点が高い高校入試の形式を取っています。

国・社・数・理・英 実技4教科(音・美・技家・保体)
内申点計算方法 5段階評価×4×5教科
100点
5段階評価×7.5×4教科
150点
内申点合計(満点) 250点
兵庫県公立高校入試の入試制度について詳細を知りたい方はこちら!

通知表が内申点に適用される時期は教科によって違う!

通知表が内申点に適用される時期は教科によって違う!

「内申点っていつの通知表が適用されるの?」って気になる人が多いようです。
中2までは評定取れていなかったけれど中3から勉強で本気を出して通知表が上がった人は中3だけ見てほしいと思いますよね。
反対に中3になって下がってしまった人は、中1の成績を見てくれーって思う人もいる。

で、選抜要綱ではどう書かれているかというと…

判定資料(A)・・・調査書の各教科の学習の記録の第3学年の、「国語」、「社会」、「数学」、「理科」、「外国語」の5教科の評定の和を4倍した値と、「音楽」、「美術」、「保健体育」、「技術・家庭」の4教科の評定の和を7.5 倍した値との総和(総配点250 点)による資料

はい、中3の通知表です。
「中3の1学期と2学期を参考にしますよ」ということが書かれています。

ですが、こんなことも書かれています。

(1) 判定資料(A) 「社会」、「理科」等学年によって分野別に学習する教科にあっては、第1、第2学年 の学習の記録も十分参考にする。

理科と社会は中1の通知表から内申点を決める資料にしますよということです。

というわけで、兵庫県公立高校入試の内申点の時期についてまとめると次のような形になります。

英語・数学・国語・副教科 中学3年生の1学期と2学期
社会・理科 中学1年生から中学3年生の2学期まで

生徒会やクラブ活動・検定合格は内申点には無関係です!

生徒会やクラブ活動の成果は内申点に含まれるのでしょうか。
それについても、入試要項では下のように記載されています。

特別活動の記録等については、次のとおりとする。
(1)生徒会・学級会の委員経験、学級活動・生徒会活動・学校行事等特別活動、部活動、学校外における活動の成果、ボランティア活動等のうち顕著なものがあれば記入する。
(2) 第4119項(4)の事項に関して、中学校が「特別活動、部活動等に関する特別取扱い」 を希望する場合は、その活動の記録、成績、意欲等について具体的に朱書する。
(3) その他、調査書の各項目に関して特に参考となることがあれば記入する。

生徒会やクラブ活動・さらには検定合格などの頑張りが中学校に認められた場合に判定資料(B)=”調査書の各教科の学習の記録以外の諸記録を総合した資料”に中学校側が記入できることが書かれています。

「やったー!生徒会活動をしたし、クラブ活動で結果を出したし、それで勉強の分をカバーできるでしょ!」

こう思った人は少し早とちりかもしれません。
というのも、下の一文を見てください。

判定資料(A)と(C)とを同等に取り扱い、合否を判定する。
その際、判定資料 (B)は参考として用い、総合判定となるよう留意する。

この参考というのがポイントだと思います。
評定や学力検査については250点ずつの配点が記載されているのに対し、判定資料(B)については『参考』という言葉で表されています。

正直に言うと、これまで15年以上兵庫県の公立高校入試を見てきた経験からは、生徒会やクラブ活動の成果による大きな加点はなく感じます。
数値化された内申点や学力検査の結果を、判定資料(B)だけでひっくり返すということは難しいことだと思います。

特色選抜入試(2月)は内申点が重視されている

合否判定委員会は、当該高等学校の特色ある教育内容に即して、判定資料(A)、(B) 及び合否判定委員会に報告されたその他の諸資料を総合して合否の判定を行う。
判定資料(A)・・・調査書の各教科の学習の記録を、当該高等学校の特色ある教育内容 に即して、総合評定した判定資料
判定資料(B)・・・小論文(作文)及び実技検査の結果に基づく判定資料

特色選抜の合否判定については上記のように記載されています。
配点に関する記載がありません。
そのため、内申点と小論文や実技検査との配点バランスは不明です。

ですが、これまでの受験指導から考えると特色選抜に関しては内申点が占める割合は大きいと感じています。

推薦入試(2月)は適性検査及び実技検査が重要

合否判定委員会は、当該学科の特色や教育内容に即して、判定資料(A)、(B)及び合否判定委員会に報告されたその他の諸資料を総合して合否の判定を行う。

判定資料(A)・・・調査書の各教科の学習の記録を、当該学科の特色や教育内容に即して、総合評定した判定資料
判定資料(B)・・・小論文(作文)、適性検査及び実技検査の結果に基づく判定資料

推薦入試も特色選抜と同様に配点に関する記載がありません。
ですが、入試難易度が高いグローバルサイエンスなどの入試に関しては、適性検査及び実技検査の配点が高いように感じます。

内申点アップのための3つの方法

では、ここからは内申点をアップのための3つの方法をご紹介します。

3つというのには理由があります。
それは、内申点の参考資料である通知表の評定は次の3つの評価基準で決められるからです。

①知識・技能
②思考・判断・表現
③主体的に学習に取り組む態度

この3つを意識して取り組み通知表の評定を上げることが近道なのです。
内申点アップのために、ぜひ取り組んでみてください。

暗記や計算練習を行なって基本問題を正確に解く力をつけよう!

通知表の評価基準の1つめ「知識・技能」は定期テストなどの一問一答問題や計算問題などの基本的な問題が解けているかどうかによって判断される部分です。
そのため、日ごろの学習で「暗記」や「計算練習」といった学習を行なうことがとても重要です。

思考力が問われる応用問題を考える力をつけよう!

通知表の評価基準の2つめ「思考・判断・表現」は、定期テストなどの応用問題で判断されることが多い部分です。
基本的な問題だけでなく、思考力が問われるような問題の学習をしっかり進めることが大切です。

授業はしっかり取り組み、提出物はきちんと提出しよう!

通知表の評価基準の3つめ「主体的に学習に取り組む態度」は授業態度や提出物の状況などから計算されるものです。
学校の授業にきちんと取り組んでいれば、少なくともBが取れているはずです。

もしCがついているなら要注意。

というのも、「態度」でCがつくというのは学校の先生から「授業にしっかり取り組みなさい」と言われてるのと同じことです。
すべての教科でA評価を目指しましょう!

今回のまとめ

兵庫県公立高校の一般入試では内申点の比重が全体の50%と他府県の公立高校と比べて高いのが特徴です。
そのため、日ごろの学校生活をきちんと送り、内申点を決める材料である通知表の評定を上げていきましょう。

今回のまとめ

・兵庫県公立高校一般入試について
総合点数500点のうち内申点が250点、学力検査が250点。
内申点は、5教科が5段階評定×4、副教科が5段階評定×7.5で計算。
英語・数学・国語・副教科は中3の1学期と2学期の通知表が適用される。
理科と社会は中学1年生から中学3年生の2学期までの通知表が適用される。
生徒会・クラブ活動・検定合格などの活動記録は、判定資料(B)に盛り込まれる。
判定資料(B)は具体的な配点は決まっておらず『参考』程度である。


・特色選抜の内申点について
配点に関しては非公表となっており詳細は不明。
特色選抜に関しては内申点が占める割合は大きいと感じる。


・推薦入試について
特色選抜同様、配点に関しては非公表となっている。
入試難易度が高いグローバルサイエンスなどの入試に関しては、適性検査及び実技検査の配点が高いように感じる。


・内申点アップのためのチェックポイント
通知表の評価基準である①知識・技能②思考・判断・表現③主体的に学習に取り組む態度を高めていこう!
基本問題を正確に解く力をつけよう!
応用問題を考える力をつけよう!
授業態度や提出物はきちんと取り組もう!

今回の講義は以上です。
これからも兵庫県の中学生や、高校合格を目指す受験生にとって役立つ情報を発信していきます。

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