
兵庫県公立高校の特色選抜は、「一般入試とはまったく別の特別な試験」という印象を持たれがちです。
しかし、塾で指導している側としては、そこまで“別物”ではないという感覚です。
内申点の影響はやはり大きい
特色選抜では、小論文・作文・面接が入試に課せられます。
そのため、「自分の強みを活かせる入試」だとか、「学力以外の部分を見てもらえる入試」と捉えられがちです。
しかし、実際の印象は少し違います。
現場で見ている限り、やはり内申点の影響は非常に大きいと感じています。
小論文や面接がよく仕上がっていても、内申点が不足していれば厳しい結果になるケースは珍しくありません。
配点が公表されていないため、どの要素がどれだけ影響しているのかは見えにくいのが実情です。
それでも、これまでの指導経験から言えるのは、内申点は決して軽視できないということです。
特色選抜もまた、日々の積み重ねの延長線上にある兵庫県ぽい入試だと考えるほうが、実態に近いのではないかと思います。
「実力」と「評価」は必ずしも一致しないこともある
同じ高校を受験した二人の生徒がいました。
小論文の構成力、論理展開、面接での受け答えの安定感――
客観的に見ても、完成度が高かったのはAくんでした。
過去問演習でも安定しており、当日の出来も悪くなかった。
正直、「内容」で見れば十分戦えると感じていました。
一方、Bくんは表現力ではAくんほどではありませんでした。
しかし、提出物は常に丁寧に仕上げ、定期テストも堅実に積み上げ、内申点は安定していました。
結果は、Aくん不合格、Bくん合格。
Aくんは2学期に体調を崩し、定期テストを受けられなかったことが響き、内申点が伸びきらなかった。
Bくんは学力以上に、日々の積み重ねが評価につながった形です。
もちろん、合否の詳細な配点は公表されていません。
しかし、こうした事例は一度きりではありません。
「当日の出来」だけで決まるなら説明がつかないケースが、確実に存在します。
だからこそ私は、特色選抜は“表現力勝負の入試”というよりも、“これまでの積み上げが前提となる入試”だと考えています。
実力があっても評価に届かないことがある。
それは理不尽に感じるかもしれません。
しかし、制度がそう設計されている以上、
戦う前提を正しく理解しておくことの方が、はるかに重要だと思っています。
中1・中2の段階で意識すべきこと
兵庫県の公立高校を受験するのであれば、対策は受験直前からでは遅いです。
勝負は中3の冬ではなく、中1の最初の定期テストから始まっています。
兵庫県の入試制度では、内申点が合否に直結します。
つまり、「本番で一発逆転」という構造ではありません。
日々の定期テスト、提出物、授業態度――その積み重ねがそのまま評価になります。
ここで重要なのは、内申点は“才能”ではなく“管理”だということです。
・提出物を期限内に出す
・ワークをやり切る
・テスト前に計画を立てて仕上げる
・副教科も手を抜かない
これらは特別な能力ではありません。
しかし、この差が2年、3年積み上がると大きな差になります。
実際、中1の内申が安定している生徒は、中2・中3でも安定します。
逆に中1で崩れた生徒は、立て直すのに相当なエネルギーが必要になります。
特色選抜も一般入試も、本質は同じです。
「これまでどう積み上げてきたか」が問われます。
だからこそ、中1・中2で意識すべきことはシンプルです。
当日点を上げる勉強より先に、“落とさなくていい点を落とさない生活”を作ること。
派手さはありません。
しかし、この土台がなければ、特色選抜も一般入試も戦えません。
兵庫の高校入試は、直前の努力ではなく、数年分の習慣が結果になる制度です。
そこを理解して動けるかどうか。
ここが最も大きな分かれ目だと感じています。
特色選抜で不合格だった受験生へ
最後に特色選抜で不合格だった受験生へ。
特色選抜で不合格だった場合、小論文や面接、さらには自分の考えそのものが否定されたと考える必要はありません。
内申点との総合評価の中での結果である可能性が高いからです。
ただし、同じ高校を3月に再受験する場合、内申点では優位に立てていない可能性があります。
当日点で上回れるようにきっちり勉強すること。
ここからきっちり勉強することが何より大切です。



