本記事では、兵庫県公立高校入試を受験する皆さんに向けて、過去5年間の兵庫県公立高校入試の教科別の平均点をご紹介します。
さらに、合格点の目安となる「合格ライン」についても解説しますので、受験準備の参考にしてください。
兵庫県公立高入試の各年度の教科ごとの平均点を知りたいな。
過去問では、どのくらいの点数を取れていれば良いの?
本記事では、こうした疑問にお答えする内容をお届けします。
兵庫県公立高校入試の平均点は、毎年5月中旬に兵庫県教育委員会のHPに掲載されますが、合格点は非公表。そのため、「目指す高校に合格するにはどれくらいの点数が必要?」というご質問を毎年多くいただきます。
いぶきWebスクールでは、『高校別の偏差値』と『受験生の得点率』をもとに、高校ごとの合格ラインを独自に算出しました。この合格ラインは、兵庫いぶき塾に通う生徒たちの合格実績とも整合性が確認されており、信頼性の高い指標となっています。
それでは、平均点と合格ラインについて見ていきましょう。
【過去5年間】兵庫県公立高校入試の教科別平均点
2023年から2018年まで過去5年間の兵庫県公立高校入試の平均点の推移は次のとおりです。
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|---|
国語 | 48.5点 | 53.2点 | 56.3点 | 55.4点 | 49.8点 |
社会 | 53.4点 | 60.1点 | 56.3点 | 57.7点 | 59.5点 |
数学 | 52.3点 | 52.6点 | 51.8点 | 57.3点 | 56.2点 |
理科 | 55.1点 | 51.7点 | 41.4点 | 48.9点 | 48.4点 |
英語 | 54.2点 | 52.1点 | 55.6点 | 55.3点 | 56.1点 |
5教科合計 | 263.5点 | 269.5点 | 261.5点 | 274.5点 | 270.0点 |
教科別の得点傾向
各教科の得点傾向を把握することは、効率的な学習計画を立てるうえで非常に重要です。
国語・社会・数学・理科・英語の得点傾向とその背景を分析し、それぞれの教科でどのような対策が必要か紹介します。
国語
国語は、近年高得点を取るのが難しい教科となっています。その背景には出題形式の変化があり、特に実用的な文章の読み取り問題が増加している点が挙げられます。また、古文や漢文の対策がこれまで以上に重要視されるようになっています。このような傾向から、多角的な学習が求められています。
実際のデータを見ても、得点を取る難しさが顕著になっています。2018年には受験生の11.6%が80点以上を取得していたものの、その割合は2021年には2.3%、2022年には4.3%、2023年には6.1%と低い水準に留まっています。さらに2024年には平均点が49.8点となり、50点を下回る結果となりました。この結果から、得点の取りづらさがより一層浮き彫りになっています。
また、出題される題材には、アンケート調査や新聞記事、話し合いをもとにした文章など、実生活に関連する幅広いテーマが含まれています。こうした題材の読み取りには、単に文章を理解するだけでなく、背景知識や論理的な思考力が求められることが試験の難易度を高める一因となっています。
このような状況を踏まえ、高得点を目指すためには実用文の読解力を鍛えることが不可欠です。それに加えて、古文や漢文などの伝統的な分野についてもバランスよく学習することが重要です。多様な対策を講じることで、試験で安定した成績を収めることが可能になります。
社会
社会はかつて、80点以上を目指すのが当然とされていた教科でした。2019年までは、全体の20%以上の受験生が80点以上を取得することも珍しくなく、多くの受験生にとって高得点が手の届きやすい目標でした。
しかし、この状況は次第に変化し始めました。2022年には8.2%、2023年には11.4%と、80点以上を取得する受験生の割合が大幅に低下しました。2024年には13.4%とやや回復の兆しを見せたものの、依然として以前ほど高得点を取ることが難しい状況が続いています。同年の平均点も59.5点にとどまり、試験全体の難化傾向が鮮明となっています。
このような背景には、資料や図表を読み取る問題が増加していることが挙げられます。単に暗記した知識を再現するだけでは対応しきれず、それらを活用しながら論理的に思考して解答を導く力が求められるようになっています。このような新しい出題傾向は、社会の試験の難易度を押し上げる一因となっています。
社会で高得点を目指すためには、暗記に頼るだけでは不十分です。資料や図表の内容を的確に読み取り、それを知識と結びつけて解答に反映させる応用力が必要不可欠です。こうした力を養うことができれば、難化する試験にも対応し、安定した成績を目指すことが可能になるでしょう。
数学
数学では、80点以上の高得点を取る受験生は毎年それほど多くありませんが、60点から79点の得点帯に位置する受験生は比較的多い状況にあります。
2019年から2024年までの平均点は51.7点から57.3点の範囲で推移しており、2024年は56.2点となりました。80点以上の得点者は2019年が2.4%、2024年が4.7%と依然として少数派ですが、60点から79点を取る受験生は全体の約4割を占めており、この層が多数派となっています。
こうしたデータから、数学では平均点以上の得点を取る受験生が一定数いる一方で、60~79点の得点帯にいる層と、30~40点台にとどまる層との二極化が進行していることがわかります。この傾向は、標準的な問題をどの程度確実に解けるかが得点差を生む大きな要因であることを示しています。
まずは標準レベルの問題を確実に解ける力をつけることが、数学の得点を伸ばすための第一歩となります。この基礎力をしっかりと身につけることで、さらに高得点を目指すための土台が形成されるでしょう。
理科
理科は、平均点が50点を下回ることが多い教科であり、難易度の高さが目立ちます。過去5年のデータを見ると、2018年が36.1点、2019年が43.4点、2022年が41.4点と低水準が続き、2024年の平均点も48.4点にとどまりました。また、80点以上の得点者は全体の5.4%にすぎず、得点の取りづらさが伺えます。
特に兵庫県の理科は、全国の高校入試問題の中でもトップクラスの難易度を誇ります。この難しさの大きな理由の一つが、問題文の長さです。学校の定期テストでは見られないような長文問題が出題され、それを正確に読み取り、必要なデータを抽出し、計算に活用する力が求められます。このように、複雑な問題形式が毎年の入試の特徴となっています。
理科で高得点を目指すには、近畿地方の高校入試問題や難易度の高い問題集に挑戦することが重要です。これにより、長文問題を正確に読み解く練習ができるだけでなく、計算力の向上も期待できます。標準的な学校ワークの問題を解くだけでは十分ではなく、入試特有の問題形式に慣れることが必要です。
こうした取り組みを通じて、長文問題に対する抵抗感を減らし、実力を伸ばしていくことが理科での高得点を達成する鍵となります。
英語
英語は、80点以上の高得点を取る受験生が他の教科に比べて多いのが特徴です。特に近年では高得点者の割合が増加傾向にあり、2024年には20.4%に達しました。このデータは、多くの生徒が英語を得意科目としていることを示しています。
一方で、2024年には40点未満の受験生が全体の28.6%を占めており、英語が苦手な層も一定数存在します。このように、英語は得意な生徒と不得意な生徒の差が大きい教科であり、二極化が進んでいることが伺えます。この傾向は、学習の習熟度や取り組み方の違いが得点に反映されやすい教科であることを物語っています。
英語の学習では、まず単語を正確に覚えることが第一歩となります。その後、文法の基礎を固め、最終的には長文読解へと進む段階的な学習が重要です。このプロセスを踏むことで、基礎力から応用力へとスムーズに力を伸ばすことができます。
特に長文読解は、単語力と文法力がしっかりと身についていることが前提となります。そのため、基礎を確実に固めた上で、長文問題に継続して取り組むことで、読解力を着実に向上させることができます。継続的な練習を重ねることが、高得点を狙う鍵となるでしょう。
【兵庫県全学区対応】高校別の合格ライン(合格点目安)
ここからは、兵庫県全域の高校ごとの合格ライン(目安となる合格点)についてお伝えします。
兵庫県の公立高校入試では、各高校の合格点に関する公式な発表は行われていません。
そのため、「合格するにはどれくらいの点数が必要なのか」というご質問を毎年多数いただいております。
そこで、いぶきWebスクールでは『高校ごとの偏差値』と『受験生の得点率』を基に、独自に高校別の合格ラインを算出しました。
この合格ラインは一定の信頼性がある数字です。
というのも、兵庫いぶき塾の生徒たちの合格実績を見た際、90%のケースでこの合格ラインと一致しているためです。。
合格ラインの調べ方①志望校の学力レベルをチェックする
兵庫県公立高校の偏差値を紹介します。
まずは、この表を参考に、志望校の学力レベルを確認してください。
この一覧は、受験生の中で上位何パーセントに位置する学力が、その高校に合格できる可能性を示したものです。
兵庫県公立高校第1学区学力レベル
学力レベル | 第1学区 |
受験生上位10% (偏差値64~69) | 神戸(69) 長田(69) 兵庫(67) 星陵(65) |
受験生上位20% (偏差値61~63) | 北須磨(63) 御影(63) |
受験生上位30% (偏差値58~60) | 市立葺合(60) 夢野台(59) 芦屋(58) 須磨東(58) |
受験生上位40% (偏差値55~57) | 伊川谷北(57) 須磨友が丘(55) |
受験生上位50% (偏差値53~54) | 神戸鈴蘭台(54) 市立六甲アイランド(54) 洲本(53) 舞子市立(53) 須磨翔風(53) |
受験生上位60% (偏差値51~52) | 神戸甲北(50) 神戸高塚(49) |
受験生上位70% (偏差値48~50) | |
受験生上位80% (偏差値46~47) | 淡路三原(46) |
受験生上位90% (偏差値43~45) | 伊川谷(45) 津名(45) 東灘(45) |
受験生上位100% (偏差値35~42) | 神戸北(42) 淡路(39) |
兵庫県公立高校第2学区学力レベル
学力レベル | 第2学区 |
受験生上位10% (偏差値64~69) | 市立西宮(66) 尼崎稲園(64) |
受験生上位20% (偏差値61~63) | 宝塚北(63) 市立西宮東(63) 北摂三田(63) |
受験生上位30% (偏差値58~60) | 三田祥雲館(59) 西宮(59) |
受験生上位40% (偏差値55~57) | 鳴尾(57) 伊丹(56) 川西緑台(55) |
受験生上位50% (偏差値53~54) | 尼崎北(54) 市立伊丹(54) 宝塚西(54) |
受験生上位60% (偏差値51~52) | 市立尼崎(52) 西宮北(52) 伊丹北(52) |
受験生上位70% (偏差値48~50) | 有馬(50) 尼崎小田(49) 柏原(49) 三田西陵(49) 川西北陵(48) 西宮南(48) 西宮今津(48) |
受験生上位80% (偏差値46~47) | 伊丹西(47) 篠山鳳鳴(47) 宝塚(47) 市立尼崎双星(46) 武庫之荘総合(46) |
受験生上位90% (偏差値43~45) | 尼崎西(43) 尼崎(43) |
受験生上位100% (偏差値35~42) | 川西明峰(42) 西宮甲山(42) 宝塚東(41) 猪名川(40) 氷上西(38) |
兵庫県公立高校第3学区学力レベル
学力レベル | 第3学区 |
受験生上位10% (偏差値64~69) | 加古川東(67) |
受験生上位20% (偏差値61~63) | 小野(62) 明石北(61) 加古川西(61) |
受験生上位30% (偏差値58~60) | |
受験生上位40% (偏差値55~57) | 東播磨(57) 明石城西(55) |
受験生上位50% (偏差値53~54) | 加古川北(54) 西脇(53) 三木(53) |
受験生上位60% (偏差値51~52) | 明石(52) 明石西(52) 高砂南(51) |
受験生上位70% (偏差値48~50) | 北条(50) 社(50) 加古川南(49) |
受験生上位80% (偏差値46~47) | 明石南(47) 高砂(46) 三木北(46) |
受験生上位90% (偏差値43~45) | 明石清水(45) 播磨南(44) 三木東(43) |
受験生上位100% (偏差値35~42) | 松陽(42) 吉川(38) 多可(37) |
兵庫県公立高校第4学区学力レベル
学力レベル | 第4学区 |
受験生上位10% (偏差値64~69) | 姫路西(68) 姫路東(65) |
受験生上位20% (偏差値61~63) | 市立姫路(62) |
受験生上位30% (偏差値58~60) | 姫路飾西(60) 龍野(59) 姫路南(58) |
受験生上位40% (偏差値55~57) | 市立琴丘(55) |
受験生上位50% (偏差値53~54) | 相生(54) 福崎(53) |
受験生上位60% (偏差値51~52) | 網干(52) |
受験生上位70% (偏差値48~50) | 香寺(50) 赤穂(49) 市立飾磨(48) 太子(48) |
受験生上位80% (偏差値46~47) | 山崎(47) |
受験生上位90% (偏差値43~45) | 神崎(45) 姫路別所(44) |
受験生上位100% (偏差値35~42) | 上郡(42) 佐用(38) 夢前(38) 家島(35) 伊和(35) 千種(35) |
兵庫県公立高校第5学区学力レベル
学力レベル | 第5学区 |
受験生上位10% (偏差値64~69) | |
受験生上位20% (偏差値61~63) | |
受験生上位30% (偏差値58~60) | |
受験生上位40% (偏差値55~57) | 豊岡(57) |
受験生上位50% (偏差値53~54) | 八鹿(53) |
受験生上位60% (偏差値51~52) | |
受験生上位70% (偏差値48~50) | 豊岡総合(48) |
受験生上位80% (偏差値46~47) | |
受験生上位90% (偏差値43~45) | 香住(44) |
受験生上位100% (偏差値35~42) | 生野(42) 出石(41) 浜坂(40) 和田山(40) 村岡(38) |
合格ラインの調べ方②学力レベル別の点数をチェックする
兵庫県教育委員会では、平均点とともに得点率の分布を公開しています。
このデータを利用することで、受験生の上位○○%が取得していた5教科の合計点数を知ることができます。
自分の志望校と照らし合わせることで、5教科の合計点における目標点を確認することが可能です。
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
受験生上位10% (偏差値64~69) | 360点 | 375点 | 370点 | 375点 | 370点 |
受験生上位20% (偏差値61~63) | 340点 | 340点 | 340点 | 340点 | 330点 |
受験生上位30% (偏差値58~60) | 315点 | 315点 | 310点 | 315点 | 315点 |
受験生上位40% (偏差値55~57) | 290点 | 290点 | 285点 | 300点 | 300点 |
受験生上位50% (偏差値53~54) | 275点 | 275点 | 270点 | 275点 | 275点 |
受験生上位60% (偏差値51~52) | 240点 | 255点 | 240点 | 250点 | 250点 |
受験生上位70% (偏差値48~50) | 225点 | 225点 | 220点 | 225点 | 225点 |
受験生上位80% (偏差値46~47) | 200点 | 210点 | 205点 | 200点 | 200点 |
受験生上位90% (偏差値43~45) | 175点 | 175点 | 175点 | 175点 | 175点 |
受験生上位100% (偏差値35~42) | 150点 | 150点 | 150点 | 150点 | 150点 |
兵庫県の公立高校入試では、500点満点のうち学力テストは得点を半分に圧縮した250点分となり、残りの250点分が内申点に割り当てられています。
このため、内申点も学力テスト同様、合否に向けて重要な要素です。
内申点で学力検査の不足を補ったり、その逆に学力テストの得点で内申点の不足を補う受験生も見られます。
まとめ
兵庫県公立高校入試では、毎年の教科別平均点と合格ラインを把握することが、効率的な学習と志望校合格への近道です。
この記事では、過去5年間の平均点推移や教科別の得点傾向、さらに志望校別の合格ラインを詳しく解説しました。
兵庫県公立高校入試における過去5年間の教科別平均点は、以下のとおりです。
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|---|
国語 | 48.5点 | 53.2点 | 56.3点 | 55.4点 | 49.8点 |
社会 | 53.4点 | 60.1点 | 56.3点 | 57.7点 | 59.5点 |
数学 | 52.3点 | 52.6点 | 51.8点 | 57.3点 | 56.2点 |
理科 | 55.1点 | 51.7点 | 41.4点 | 48.9点 | 48.4点 |
英語 | 54.2点 | 52.1点 | 55.6点 | 55.3点 | 56.1点 |
5教科合計 | 263.5点 | 269.5点 | 261.5点 | 274.5点 | 270.0点 |
各教科では、以下のポイントに注力することが重要です。
兵庫県の公立高校入試における各教科の重要なポイント
- 国語: 実用文や古文・漢文対策を強化し、幅広い出題形式に対応する力を養う。
- 社会: 資料・図表問題に慣れ、覚えた知識を活用して解答する力をつける。
- 数学: 基礎を確実に固め、標準問題を解ける力を優先的に強化。
- 理科: 長文問題の読み解きや計算力を重点的にトレーニング。
- 英語: 単語力と文法力を土台に、長文読解を継続的に練習。
また、合格ラインを目標として設定する際には、内申点と学力検査点のバランスを考慮し、自分の志望校に必要な得点率を正確に把握することが大切です。
この記事を参考に、志望校合格に向けた学習計画を立て、効率的に準備を進めてください。
皆さんの健闘を心より応援しています!
なお、高校受験生に向けた具体的な勉強法については、次の記事で詳しく解説しています。
ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。