国語は、兵庫県公立高校入試の5教科の中で近年難化が進む教科です。
新聞記事やインタビューからの読み取り問題。
さらには知識が必要な古文漢文・そして読解力が問われる評論に小説。
日ごろの学校のテストでは見ることがない問題が多く出題されます。
これらの問題でしっかり点数を取るためには、きちんと対策を立てて学習することが必要です。
今回の内容
①兵庫県公立高校入試の国語の得点分析
②兵庫県公立高校入試の国語が難化している2つの理由
③合格点を取るための具体的な3ステップ学習法
今回のWebスクールの講義では、兵庫県の公立高校入試の国語の何が難しいのか理由を2つご紹介します。
また、具体的な学習法についてもご紹介します。
兵庫県公立高校入試の国語の勉強法で悩んでいる人にオススメの内容です。
兵庫県公立高校入試の国語の得点分析
兵庫県公立高校入試の国語の過去4年間の平均点の推移は以下のとおりです。
- 2018年:60.0点
- 2019年:57.4点
- 2020年:48.5点
- 2021年:53.2点
また、受験生全員における高得点率(80点以上)は以下のとおりです。
- 2018年:11.6%
- 2019年:7.0%
- 2020年:2.9%
- 2021年:2.3%
また、2021年入試の得点の分布は以下のとおりです。
- 0~19点:0.7%
- 20~39点:15.3%
- 40~59点:51.4%
- 60~79点:30.3%
- 80~100点:2.3%
近年の兵庫県公立高校入試の国語の得点傾向
近年の得点推移を見てわかることは80点以上の人数割合がどんどん下がっていっていること。
2017年には24.2%だったものが2021年には2.3%までどんどん減っています。
僕は、「国語はしっかり学習すれば他の教科と比べて高得点を取りやすい教科だ!」って数年前までは指導していましたが、それはもう昔の話。
国語は高得点を取りづらい教科だという認識が必要です。
兵庫県公立高校入試の国語の目標点
偏差値 | 目標点 |
---|---|
偏差値64~69 (受験生上位10%) | 75点 |
偏差値61~63 (受験生上位20%) | 70点 |
偏差値58~60 (受験生上位30%) | 65点 |
偏差値55~57 (受験生上位40%) | 60点 |
偏差値53~54 (受験生上位50%) | 55点 |
偏差値51~52 (受験生上位60%) | 50点 |
偏差値48~50 (受験生上位70%) | 45点 |
この表は2021年の問題レベルでの偏差値別の目標点です。
たとえば、偏差値64以上の高校に合格するためには受験生の上位10%に入ることが必要です。2021年の試験では75点以上が目安です。
2021年の受験では80点以上の受験生は2.3%でした。
そのため70点を一つの学力目標の目安として考えましょう!
兵庫県公立高校入試の国語が難化している2つの理由
なぜ国語が近年難しくなっているのか。
それには2つの理由があります。
難化の理由①読解問題の設問がややこしくなった
国語の難化が進む理由の1つ目が読解問題が難化していること。
読解問題の文章の長さ自体は、ここ数年でそんなに大差がありません。
ですが、設問が年々難しくなっています。
2021年度の入試問題では、大問5の論説文では問2・問3・問4・問7と8つ中4つもの問題で正答率が4割以下になっています。
以前は4割以下の問題というのは少なく、読解問題はきっちり学習すれば解ける問題がほとんどでした。
それだけ、ここ数年出題される論説文は受験生にとって難しい物になっているということです。
また、「国語は日本語だからよく読んだら解ける」という間違った認識をしている受験生が多いことも関係しているといえるでしょう。
もしそんな意識があるのなら、その意識は危険です。
しっかり読解問題に備えた学習をしないとテストで点数を取ることは難しいことです。
難化の理由②資料の読み取り問題の増加
国語の難化が進む理由の2つ目が資料の読み取り問題が近年入試に組み込まれていることです。
大問1では2021年度は芸術館紹介のチラシから、2020年度は学校新聞の記事とグラフ、アンケート結果の表などから情報を読み取る問題が出題されました。
そして、2020年度の学校新聞の読み取り問題では正答率9.1%と国語の問題全体を通して正答率が最も低い問題になりました。
資料の読み取り問題の出題の増加している背景には、新指導要領であったり、大学入試改革などが背景にあります。
というのも、新指導要領や大学入試改革では「実用的な知識」を学ぶことを目的に大きく転換するからです。
そのため、近年の入試問題の傾向はこれからも続くことが予測されます。
これも学校の授業では日ごろあまり取り組んでいないような問題です。
しっかりと対策が必要です。
古典と漢文にもしっかり取り組みましょう
このように、読解問題の難化・資料の読み取り問題の増加が兵庫県公立高校入試の国語の問題の難易度のアップに繋がっています。
また、古典や漢文はここ数年で問題が特に難しくなったという印象はありませんが、対策をせずに解けるものではありません。
ですので、実際の受験勉強を行う際には読解問題・資料の読み取り問題・古典漢文の問題、この3つの問題形式に意識して取り組む必要があります。
では、実際に勉強をどのように進めていくかについてお話していきます。
兵庫県の公立高校入試の国語で合格点を取るための3ステップ学習法
兵庫県公立高校入試の国語で合格点を取るための具体的な学習法は次の3ステップです。
- ステップ①読解問題と古文・漢文の基礎固め
- ステップ②最新の入試問題を解く練習をする
- ステップ③兵庫県公立高校入試予想テストを使って最終調整
ペース目標は年末までに、読解問題と古文漢文の基礎固めをすること。
そして受験の年になったら、過去問などを使って実際のテストの形式に慣れていきましょう。
ステップ①読解問題と古文・漢文の基礎固め
兵庫県の公立高校入試でしっかり点数を取るためにまず第一にやるべきことは、読解問題と古文・漢文の基礎固めです。
具体的な進め方は、旺文社の高校入試とってもすっきりの読解と、高校入試とてもすっきり古文漢文の2冊をやることです。
“とてもすっきり”をやり、実際の過去問や入試問題形式の演習に移る前に読解問題の演習に慣れ、古文漢文の全体の概観を掴みましょう。
これは読解が95ページ、古文漢文は79ページの問題集です。
できるだけ短期間でサクッとやっていってほしいと思います。
そして、この問題を解く中で覚えられていない漢字・古文単語・古文や漢文の文章の規則などは、ノートにまとめていってほしいと思います。
そして、そのノートにまとめたことは何度も読んで覚えるようにすべきです。
ステップ②入試傾向に合った最新の入試問題を解こう!
入試問題の傾向というのには流行があります。
そのため、読解問題・資料の読み取り問題・古典漢文の問題という3つの問題形式を学習するために、古い過去問を解くよりも最新の入試問題を解くことをおすすめします。
特に、資料の読み取り問題は全国的に増加傾向にあり、新しい入試問題を解くことがそういった問題の対策として一番よい学習のしかたです。
実際の学習には、旺文社の2021年受験用全国高校入試問題正解を使うのがおすすめです。
この問題集は、問題数も多くその分値段も少し高い問題集なんですが、2020年の全国の公立高校の入試問題が掲載されています。
また、こういった入試問題を解く際にもノートに知らなかった知識はまとめ、何度も見直すということを継続しましょう。
特に高校入試の古典漢文はよく似た出題が多いです。しっかり覚えていきましょう。
ステップ③兵庫県公立高校入試予想テストを使って最終調整
入試の直前期は兵庫県公立高校入試予想テストを使って最終調整をしましょう!
兵庫県公立高校入試予想テストは兵庫県の公立高校入試の形式に合わせた内容になっています。
全国の公立高校の入試問題を解き、読解問題・資料の読み取り問題・古典漢文の問題という3つの要素をしっかり学習できたら、学習前と比較して大きく学力が伸びているはずです。その力で、兵庫県公立高校入試予想テストを本番だと思って解いてみてください。
ここまでが国語の学習の手順です。
学習全般を通してとにかく意識すべきは読解問題・資料の読み取り問題・古典漢文の問題という3つの問題に対してしっかり正しく取り組んでほしいと思います。